厚生年金の脱退手当金
厚生年金には昭和61年3月まで脱退手当金という制度がありました。
当時の厚生年金は20年以上の加入で老齢年金が受給できたため、厚生年金に20年以上加入をしていた人に脱退手当金の制度は適用されません。
それよりも期間の短い人が厚生年金の資格を喪失したときに、退職金代わりのように支給されたのが脱退手当金になります。
ところで、年金の受給は2つの段階で考える必要があります。
第1段階は年金受給資格の確認で、一般的に25年加入をすると年金が受け取れると言われているものです。
そして、年金はこの第1段階をクリアした人だけが第2段階の年金額計算に進むことになります。
したがって、そもそも年金の受給資格のない人に年金額計算が行われることはありません。
★年金に関する新刊の本がここにあります。★
ところで、厚生年金の脱退手当金を受け取るとどうなるのかということですが、脱退手当金を受け取った期間は第1段階の受給資格の計算には参入しますが、第2段階の年金額の計算は行いません。
厚生年金の脱退手当金を受け取った期間は、合算対象期間またはカラ期間などと呼ばれています。
カラの期間なので中身(年金)は入っていないということです。
脱退手当金を受け取るとこのように受給資格期間については問題がないものの年金額計算は行われないのでどうしても年金額が少なくなってしまいます。
脱退手当金を受け取ることができたのは女性だけではありません。
男性も脱退手当金を受け取ることはできました。
しかし、脱退手当金は短期加入の人のための制度です。
当時の状況を考えると女性は結婚で会社を退職することが非常に多いため、結果として脱退手当金を受け取るのは圧倒的に女性であったようです。
脱退手当金を受け取ったことで後悔をしている女性は非常に多いようです。
ならば、この脱退手当金を返せばと思いがちですが、脱退手当金の返還は認められていません。
これは、脱退手当金を受け取った期間は厚生年金の被保険者期間でなかったものとみなすという考えがあるためです。
つまり、脱退手当金を受け取ると厚生年金の記録から抹消されてしまうので返還も認められないということです。
先ほど書いた合算対象期間というのはあくまでも老齢基礎年金を受給するための期間です。
したがって、脱退手当金を受けるとその期間は、厚生年金の記録は抹消され、国民年金は老齢基礎年金の受給資格期間を見るためだけに用いられるということになります。
さて、脱退手当金は原則として昭和61年3月でなくなりました。
ただ、例外的にその後も脱退手当金を支給されることがあります。
これは、もうどう考えても老齢給付がないという場合に行われるもので、昭和61年4月以降に受けた脱退手当金の期間は合算対象期間にさえなりません。
完全に清算をしてしまうことになります。
しかし、清算と言っても受け取れる金額は当時の支払った保険料相当額ということですから決して高額ではありません。
また、脱退手当金を受け取るとその後は対策の立てようが一切なくなってしまいます。
たとえば、その後に宙に浮いた年金がでてきたら。
あるいは、法律改正で受給資格期間そのものが短縮をされたら。
さまざまな可能性を考えるとたとえ脱退手当金を受け取る資格がある人だとしてもそう易々と勧められるものではないような気もします。
年金とライフプランのブログ トップへ
保険や年金に関する情報は、
保険ブログランキングへ
厚生年金の脱退手当金 年金とライフプランのブログ
スポンサードリンク