年金で不適正な事務処理、専門官を懲戒処分/神奈川社保事務局
社会保険庁神奈川社会保険事務局は2日、年金の納付免除などに関して不適正な事務処理を行ったとして、男性専門官(37)を減給2カ月(10分の1)の懲戒処分、監督責任があった課長3人を厳重注意処分にしたと発表した。
同事務局によると、専門官は横須賀社会保険事務所に勤務していた2006年8月、当時20歳の女子大学生が申請した「学生納付特例申請書」を紛失。
その後に大学生の家族から照会があった際、紛失の事実を隠すために所長印を無断で使用して偽の承認通知書を作成、交付したという。
また、同年10月には当時59歳の女性が申し込んだ「免除・納付猶予申請」を誤って却下とした。
その後に女性から照会があり、誤りの発覚を避けるために所長印を無断で使用し、偽の通知書を交付したという。
いずれも、社会保険庁側が免除などについて問い合わせた際に不正が発覚。
2人とも免除が成立したと受け止めて保険料を納付していなかったため、実害はなかったという。
専門官は「何度も問い合わせや照会がきたので、耐えきれずにやってしまった」などと話しているという。 【カナロコ】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091002-00000028-kana-l14
この記事は2つの事案があったことを示しています。
1つめは、学生納付特例申請書を紛失したので所長印を無断で使用し偽の通知書を交付。
2つめは、免除・納付猶予申請を誤って却下としたので所長印を無断で使用し偽の通知書を交付。
この中で、学生納付特例申請書を紛失したというのは単純ミス。
決して褒められたことではないですし、このことだけでも事務処理の杜撰さがわかりますが、基本的には単純ミスです。
また、所長印の無断使用。
これは組織として事務処理の杜撰さを示すものですし、あるいは犯罪という領域に踏み込んでいるものかも知れません。
何れにしても、個人及び組織の事務処理のお粗末さを示すものです。
ところで、この記事にはもう1つ大切なポイントがあります。
それは、免除・納付猶予申請を誤って却下といいう部分です。
免除・納付猶予申請については都道府県により若干の違いはあるかも知れませんが、まず申請そのものは市町村役場で受け付け、市町村は申請書の該当箇所に所得などを書き入れた上で、社会保険事務所に進達します。
市町村の所得の書き入れは手作業で行われることが多いようです。
また、審査は社会保険事務所で行われますが、このときの所得審査は目視にて行われることが多いようです。
つまり、免除申請に関する審査はコンピュータではなく人の手を介して行われている部分が多くを占めています。
実は免除の種類というのはいくつもあり、それぞれに基準が異なって複雑になっています。
そして、国民年金保険料の納付率低下により、社会保険事務所などは免除申請を積極的に推し進めるようになり、その事務量も厖大になっています。
さらに、免除の審査というのは人の手によって行われている部分が多いというのが実態です。
このような状況ですから、ある意味、間違いが起きるのは当たり前。
それこそ全国で何千、何万と発生していても決して不思議ではありません。
これは職員の能力云々ではなく、制度そのものに問題があるのは明らかです。
どうしても今の基準を続けたいということであれば、もっとシステム化してミスを少なくする必要がありますし、それがコスト面でできないということであれば、免除そのもののあり方を変えるべきだと思います。
以前、社会保障審議会年金部会では所得に応じた国民年金保険料が課題として挙げられていました。
年金制度の維持のうえからも、事務処理の誤りを少なくするという意味からも、この案は検討する価値があるように思えます。
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