年金受給資格 25年と20年
本日、年金相談の相談員を行ってきました。
そこでびっくりしたことを少し書いておきたいと思います。
私が年金相談をした方は間もなく60歳になる男性です。
細かな年金加入記録は持参されていませんでしたが、社会保険庁からの加入記録のはがきを持参されていました。
その記録を見ると厚生年金180月、国民年金60月で合計240月です。
年金の受給資格を満たすためには原則25年(300月)が必要なのでこのままでは60歳から年金を受けることはできません。
この方は、現在は国民年金加入なので60歳からは国民年金任意加入を5年間して25年を満たす必要があります。
そのことは本人もご存知だったので特に問題はありませんでした。
私は何気なくその方に尋ねました。
現在は自営業をしているのですかと。
そうすると、その方は会社経営している、つまり社長さんということでした。
ここで法律のことを書くつもりはありません。
私が驚いたのは、なぜ会社経営者なのに厚生年金に加入しなかったのかということです。
このあたりをお聞きすると、若い頃は厚生年金に加入してきたが、その後はずっと年金制度には加入していなかった。
そこで会社の顧問をしている社会保険労務士に相談をしたら厚生年金と国民年金を足して25年加入しなければ年金は受け取れないから、保険料負担の大きい厚生年金ではなく国民年金に加入するようにといわれたということです。
果たしてそうでしょうか。
確かに年金を受け取るためには原則25年の納付が必要です。
でも、それは原則であって例外もあります。
そして、厚生年金には2つの例外があります。
ひとつは厚生年金の中高齢特例というもので男性40歳以降の厚生年金が生年月日に応じて15年から19年あれば年金受給資格期間を満たすというものです。
この男性の場合、厚生年金はすべて40歳前の記録だったのでこの特例に該当することはありませんでした。
しかし、厚生年金にはもうひとつの例外があります。
これも生年月日に応じて厚生年金の加入期間が20年から24年あれば受給資格を満たすというもので、この方は20年の厚生年金期間があれば60歳から年金が受け取れる方でした。
ここで、もう一度この方の記録を見ると、厚生年金180月、国民年金60月です。
そして国民年金は本来厚生年金であるべきだったのが、社会保険労務士の助言により国民年金加入としたものです。
もし、この方が国民年金ではなく厚生年金に加入をしていたら既に厚生年金だけで240月になり、60歳から特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)を受け取る権利が発生をしていた方です。
ところが社会保険労務士のミスリードによりこの方は厚生年金240月ではなく、国民年金と厚生年金の合算で300月なければ年金を受けられない方になってしまいました。
この方は給料の高い方なので60歳から年金を受け取る権利はあっても、在職老齢年金の仕組みで実際には年金を受け取ることができない可能性の高い方ではありましたが、こうした単純な間違いだけは犯さないように改めて自分自身を戒めたところです。
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